勤めている会社の業績が下降して給料が下がってしまったり、転勤や移転間関係など転職のキッカケになるものはたくさんあります。
ぼくが当時勤めていた会社ももともと少人数だった社員がさらにやめて最後は4人になってしまいました。給料も下がり生活に影響が出る心配も出て来て将来が不安になっていました。
この時はさすがに転職を考え、社長にその旨を伝えて転職活動を開始。しかしうまくはいかず、ほぼ全滅でした。
グラフィックデザイナーやWebデザイナーの職種で応募していましたがどの企業も歯が立たず採用をもらえたのはひたすら作業量の多いDTPオペレーターの職種でした。
落ち続けたことで気持ちに焦りが生まれていたので、内定をもらえたら条件が合わなくても転職に踏み切ろうとしていたのを強く覚えています。もちろん妻は反対し、よくケンカになっていました。
内定をもらえた会社は繁忙期があり一年の半分は残業が発生するというものでした。残業は1日に2時間程度、妻が出した条件には合わず反対を押し切って転職はできませんでした。
焦っていたんですね。給料が下がったので収入面にばかり意識がいってしまい、残業の多さはあまり気にならなくなっていたのです。。。
最終面接をクリアして内定をいただいた会社でしたが辞退し、一度考え直すことにしました。
全滅した転職活動を一度整理する
落ち続けた転職活動ですが、落ち着いて考えてみると勤めている会社自体は存続するわけで仕事は続けられる状況にありました。
現職の状況をプラス面とマイナス面で分けてみると。
□ 転職活動
・このまま転職活動を続けても体力とお金を消費するだけが続く
・希望の職種が少ない
・希望職種に転職するだけのスキルがない
このまま転職活動を続けることに意味はないと考え、転職活動を中止することにしました。
応募した企業に対して自分の足りないものとは
現職を続けることにしたものの、自分に何が足りないかは明確になっていませんでした。
社内ではグラフィックデザイナーという肩書きをいただいていましたが、転職活動をしていた時に違和感を感じていました。
転職活動が失敗し現職を続けることを選びましたが、この先も仕事があるという保証もありません。
他のデザイン会社と競合した時、こんな実力では負けることは目に見えています。
そこで自分の足りないものを洗い出し、スキルアップをすることにしました。
□ 自分に足りないと思うもの
・表現力や訴求力デザインする上でのスキル
・制作したものに対する裏付け
・お客様とのコミュニケーション力
社内にグラフィックデザイナーもWebデザイナーもいない環境で、入社したときはアプリが少し使えるだけのど素人。
独学はしてきましたが、よく見かける「デザイナー必見の裏技テク」みたいな参考書にばかり目がいっていたので実質デザイナーとしての考え方はできていませんでした。
そんな人間が作ったものに対して、コンセプトや裏付けされた説明ができるわけがなくなんども修正やデザインのやり直しなどがよくありました。
お客様との打ち合わせなどは営業がしていたので要望を満たせているのか疑問でしたし、作って欲しい要望はあれど最終的なゴールは何かというところまでは見えないことがほとんどでした。
これからすることは転職活動で正しいのか考え直した
現職の状況や自分に足りないものは整理できたので、次に何をすべきかを考えた結果次のことをすることにしました。
□ 現職の問題点を解決するためにしたこと
・ボリュームの多い仕事は外注する
・抜けた人の分の仕事の見直し
・制作データの整理整頓
現職を続けるにあたって抜けた穴を埋めるため、自分で補う仕事と外注する分の仕事の仕分け、加えて全く整理されていなかった今までの作ったデータの整理整頓をしなければなりませんでした。
データの整理整頓はとても大切ですね。自分で作るときも外注するときも過去のデータを探すのに全く手間がいらないので。
□ 自分の実力向上するためにしたこと
・打ち合わせには必ず同行する。
・デザインする前にコンセプトを考える
・手描きでラフを描く
他に仕事以外での実力向上手段として
・勉強会や講座に参加する
・コンペディションに応募する
ということもしました。
コンセプトを考えることや手描きでのラフは打ち合わせの時や提案の際も役立ち、デザインのやり取りや修正も随分少なくなりました。
また、勉強会や講座に参加することで自分の実力を知ることができるいい機会でした。
デザイナーとしてだけでなくディレクターの考え方を学ぶこともできたので、今でも大切なものになっています。
会社の危機や転職の失敗で得たもの
会社の危機に直面し焦って転職活動をするも失敗に終わる。全くいいことがなく、ただ気持ちと体力をすり減らすだけの日々でしたが、一旦踏みとどまることで得たものはありました。
□ 転職活動で得たもの
・足りないものに気づいた。
・スキルップのために何をするかはっきりした
・自分の転職条件が明確になった
□ 会社の危機で得たもの
・少人数でもなんとか切り抜けたことで自信がついた
・仕事の守備範囲が広がった
・デザイン以外のことをすることで結果的にデザインは向上した。
転職活動での失敗や会社が危機になったことは結果として経験にすることができました。
また自分の守備範囲が広がったことで、会社自体のスタイルも変化しました。
もし会社の業績が悪く退職する人が出て来た場合はチャンスかもしれません。
よく状況を整理して本当に転職するべきか判断することをおすすめします。